マタニティフード情報

妊娠期から授乳期 時期別の栄養

日本マタニティフード協会

妊娠期から授乳期の時期別の栄養を知って楽しい食生活を送ろう!

妊娠期から授乳期にかけて、何かと食べ物の制約が多くて大変ですよね。
しかも、何を食べて良くて何を食べちゃいけないのかいまいちわからない・・・
ましてや、身体が変化していく中で、食欲が出なかったり逆に食べたくて仕方なくなったり・・・
体重管理が難しかったり・・・
どうせなら楽しく美味しい健康的な食生活を送りたい!

そんな妊産婦さんも多いと思います。こんな時、時期別の変化に応じて、摂るべき栄養や控えるべきものを知っておけば、毎日の食事がもっと楽しくなるはずです。

知らずにいると、自身の体調だけではなく赤ちゃんにも影響してしまう可能性があります。

私は現在妊娠中なのですが、お店でとろとろ卵がのったお料理が提供された時、「これって完全に生ではないけど食べてもいいんだっけ?まあ大丈夫か!」と安直な考えで食べてしまい、後から不安で仕方なくなったことがありました。幸いにも赤ちゃんは元気に成長してくれていますが、もし食中毒になってしまったら、胎児に影響があったら、後悔してもしきれずにいたと思います。
ちなみに、とろとろ卵は加熱の程度にもよりますが、避けておいたほうがよいです。加熱が十分でない場合は食中毒の危険性があるので注意してくださいね。

正しい知識を持っていれば、身体の変化を理解し、それに応じた食事をすることで楽しく安心して過ごすことができるでしょう。

一生懸命身体の変化と向き合い、赤ちゃんと一緒に成長している努力を無駄にしないためにも、時期別の栄養について知識を増やしておきませんか?

時期別の変化と食事を知ろう!

この記事では、時期別の身体の変化と、それに応じた摂取すべきもの・控えた方が良いものなど、理由も踏まえてわかりやすく解説していきます。
難しいことはありませんので安心してくださいね!

妊娠期と授乳期で意識すべきこととは?

言うまでもありませんが、妊娠期や授乳期は、母子の健康を維持するために必要な栄養素をバランスよく摂取する必要があります。
病院で看護師さんや助産師さんに厳しく注意してもらっている方もいらっしゃるかと思いますが(私もそのひとりです)、妊娠高血圧症候群などの予防のため、食事管理と体重管理を行うことが本当に大切なのです。

では、生ものはNGっていうのはよく聞きますが、実際にこれらの時期には他にどんな点を意識すればいいのでしょうか?
妊娠期や授乳期に意識したい栄養素はさまざまありますが、まずは二つに分けて代表的なものを見ていきましょう。

最初に、妊娠期です。
この時期は、骨や歯の成分となる「カルシウム」と、鉄欠乏性貧血を予防するための「鉄」をしっかりと摂取するように心掛けましょう。
注意が必要なのは、胎児の奇形のリスクを高める妊娠初期のビタミンAの過剰摂取や、妊娠高血圧症候群のリスクを高める塩分の過剰摂取、過度な体重増加、葉酸不足です。何でも摂りすぎ・摂らなさすぎは良くないので注意するようにしましょう。

次に、授乳期です。
この時期は、母乳に使われる「鉄」や「エネルギー」をしっかりと補うことが大切です。
特に鉄は、出産時に失われていますので、特に意識して摂る必要があります。

そして、サプリメントで補っている方も多いですが、二つの時期に共通して、「葉酸」をしっかり摂ることが大切です。細胞の増殖に欠かせないビタミンB群の一種であるため、妊娠前から重要な栄養素といえます。妊活中の方にも積極的に摂取していただきたいです。また、母乳は血液から作られているので、造血機能のある葉酸は、妊娠期だけではなく、授乳期においてもとても大切な栄養素なのです。
ほうれん草やブロッコリー、キャベツ、アスパラガス、いちご、納豆など、野菜や果物に多く含まれていますので、意識して食べるようにしましょう。

4つの時期に分けてみる留意点とおすすめのお料理

ここからは、「妊娠初期」「妊娠中期」「妊娠後期」「授乳期」の4つの時期に分けて、詳しく身体の変化と留意点を見ていきましょう。
栄養素を含んだ具体的な食材や、私のおすすめのお料理もご紹介しますね!

[妊娠初期(〜15週)]

●身体の変化
・つわりで気分が悪くなったり、精神的に不安定になったりする。
・乳房が張ったり痛んだりする。

●留意点
・嗜好の変化や食欲不振が現れることが多いので、つわりがひどいときは好きなものを食べたいときに食べる。
→個人差がありますが、つわりのピークは一時期なので、このときの栄養バランスには神経質にならなくても大丈夫です。何も食べられない状態が続くと身体に負担をかけてしまうので、食べられる時に食べられるものを食べましょう。しかし、食欲がある方は栄養バランスに気を付け、食べすぎに注意してくださいね!私は食べるのが好きで普段から暴飲暴食ということもあり、つわりの時期でも食欲だけは減らず、体重増加を指摘されたことがありました・・・

・ビタミンAの過剰摂取は胎児の奇形のリスクを高めるので、摂りすぎないように注意する。
→ビタミンAは、レバーやうなぎなどに多く含まれています。たまに食べる分には問題ありませんが、毎日食べるのは控えましょう。

・胎児は有害なものの影響を受けやすいので、飲酒や喫煙は避け、添加物の多い加工食品は摂らないようにする。
→アルコールは、多量に摂りすぎると赤ちゃんに発育障害などの影響を及ぼす恐れがあるので控えるようにしましょう。タバコは、ニコチンの影響で血管の収縮が起こり、赤ちゃんの健康や発育に悪影響を及ぼす危険性があります。前期破水や低出生体重児などのリスクも高まるので強い意志でやめましょう。また、ウインナーやハムには、食品添加物や塩分が多く含まれているので、たまに食べる程度にすると良いです。

●おすすめのお料理
・つわりの時→ほうれん草とにんじんのお粥(緑黄色野菜を刻んで、たっぷり入れるのがおすすめです。)
・食べられそうな時→ブロッコリーと鶏肉のカルボナーラ(枝豆やアボカドを入れても美味しいですし、葉酸をたっぷりとれます。)

[妊娠中期(16〜27週)]

●身体の変化
・つわりの症状が回復してくる。
・お腹のふくらみが目立つようになる。
・乳房が大きくなる。
・腰痛や肩こり、足の痛みなどを引き起こしやすくなる。
・貧血になりやすくなる。
・便秘や痔になりがちになる。

●留意点
・体重が増えすぎないようにコントロールする。
→太りすぎもやせすぎもトラブルの原因です。この時期は、食欲が増す人が多くなり、体に脂肪がつきやすくなる傾向にあるので、BMIを指標とした「適正体重増加」を知っておきましょう。厚生労働省によると、妊娠全期間を通して、BMIが18.5未満の人は9〜12kg、18.5以上25.0未満の人は7~12kg、25.0以上の人は個別に相談と定められています。

・貧血や血圧に気を付け、「鉄」や「たんぱく質」、「カルシウム」をしっかりと摂る。
→「鉄」を多く含む食品…赤身肉・かつお・あさり・ホタテ・しじみ・大豆製品・小松菜
→「たんぱく質」を多く含む食品…肉・魚・卵・大豆製品・牛乳・ヨーグルト
→「カルシウム」を多く含む食品…乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズ)・大豆製品・小魚・しらす干し

●おすすめのお料理
・あさりと緑黄色野菜のミネストローネ(冷蔵庫にあるお野菜何でもOKです。仕上げに粉チーズをかけても美味しいですよ。)
・パセリとしらすのチャーハン(包丁を使わずに作れる点でも手軽でおすすめです。)
・季節のフルーツヨーグルト(旬の果物を取り入れるようにしましょう。)

[妊娠後期(28週〜)]

●身体の変化
・次第に子宮が持ち上げられるため、胃の圧迫感や胃もたれ、食欲減退などを引き起こしやすくなる。
・動悸や息切れなどが現れる。
・手足がむくみやすくなる。

●留意点
・食事を摂れないときは、少しずつ何回かに分けて食べるようにする。
→妊娠後期は、食欲はあるのに思うように食べられなくなってしまう人もいます。1日3回にこだわらず、何回かに分けて1日に必要な食事量をとるようにしましょう。臨月に入ると、赤ちゃんが下の方に降りてきて症状が軽くなる人も多いです。

・むくみの原因となる塩分の摂りすぎに注意する。
→天然だしを活用したり、減塩食品をチョイスしたり工夫をするといいですよ。また、ウインナーなどは湯通しして塩分をカットするのもおすすめです。バナナやいも類に含まれるカリウムには、ナトリウムの排出を促す働きがあるので、カリウムを摂取するのも効果的です。

●おすすめのお料理
・ぶり大根(さば大根もおすすめです。)
・だし巻き卵(だしをしっかりとることで減塩効果が期待できます。)
・イチゴとオレンジとチーズのサラダ(加熱処理されたカッテージチーズやクリームチーズなど、乳製品も取り入れるといいですね。)
・きな粉ミルク(少し白すりごまを入れても美味しいですよ。)

[授乳期]

●身体の変化
・乳腺が発達して乳房が大きくなる。
・母乳の分、水分がとられるので便秘になりやすくなる。
・ホルモンバランスの変化や授乳によるカルシウム不足、抱っこなどで関節の痛みが現れやすい。

●留意点
・お母さんが摂取した栄養は母乳をつくるためにも使われるので、バランスよく多めの摂取を心がける(ただし、過食には気をつける)。
→産後すぐに元の体重に戻したいと思っている方もいらっしゃるかと思いますが、無理なダイエットは禁物です。産後6か月を目安にBMI18.5以上から25.0未満の体重に戻すようにすると良いでしょう。ただし、食べ過ぎには注意が必要です。

・便秘にならないように「水分補給」をこまめに行う。
→母乳がたくさん出ると、喉が渇きます。便秘にもなりやすくなるので、こまめに水分をとり、汁気の多い料理で水分を補いましょう。

●おすすめのお料理
・イワシのつみれシチュー(イワシを別の魚に変えたり、つみれの代わりに鮭と豚ひき肉でミートボールを作るのもおすすめです。)
・干しエビと小松菜のスープ(鉄分もしっかり摂れます。)
・厚揚げと大根の煮びたし(煮びたしなら水分をたっぷり補えますね。)

毎日のごはんにお試しあれ!

いかがでしたか?
今回ご紹介しきれなかったこともありますが、どの時期にも共通して言えるのは、1日3食バランスよく食べることがとても大切だということです。
ご紹介した時期別の栄養や留意点、おすすめのお料理をぜひ参考にしていただき、主食・主菜・副菜・汁物を組み合わせた献立にしていきましょう。
とはいっても、これを食べなければいけない・食べてはいけないと神経質になりすぎてはストレスになってしまいます。
お母さんが幸せだと赤ちゃんも幸せなので、決して無理はせず、ご自身の体調と相談しながら、できる範囲で美味しく楽しい食生活を送りましょう!

■この記事を書いたのは ■

松井 莉里歌
上級食育アドバイザー。マタニティフード協会アンバサダー。
料理や食育の仕事に携わる。現在妊娠中。

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